SPYDとは?利回りや株価チャート、配当金について詳しく解説
「SPYDって儲かるの?」「ETFの中でも配当金の高いものはどれ?」このような悩みを持つ方は、SPYDの特徴を知っておくことがおすすめです。
どのような銘柄で構成されているのか、配当利回りも見ておけば、今後投資を始める上で重要な判断材料になります。今回はSPYDの主要構成銘柄や利回り、株価チャート、配当金などを詳しく解説します。

SPYDはETFのひとつ|構成・利回りを紹介
SPYDはETFのひとつですが、どのような特徴を持つのか、構成銘柄や利回りも見ていきましょう。
SPYDの特徴
SPYDとは、米国の複数の高配当株式に投資ができるETFのことを言います。「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF」の略称です。
ステート・ストリート社が運用を行っており、配当利回りが高い、手数料がリーズナブルなどの特徴があります。
ETFとは?
ETFは「Exchange Traded Fund」の略称であり、上場投資信託のことを言います。
Exchange | 証券取引所で |
---|---|
Traded | 取引される |
Fund | 投資信託 |
一般的な投資信託との大きな違いとしては、取引方法が挙げられます。ETFは株式のように取引所を通じて、リアルタイムに売買することが可能です。
SPYDはS&P500高配当指数をベンチマークとしており、S&P500の採用銘柄のうち、特に配当利回りが高い80銘柄の株価が指数化されています。
SPYDを購入するだけで、高い配当金が受け取れる、金融や不動産・公益事業などの企業に分散して投資できるという魅力があります。
S&P500とは?
そもそも「S&P500」とは、米国の代表的な500銘柄の株式から構成される指数のことを言います。
この500銘柄の中でも、特に配当利回りが高い80銘柄で構成されている指数が「S&P500高配当指数」です。

S&P500高配当指数とは?
通常のS&P500には、AppleやAmazonのような世界的な大企業ほど高い比率で組み入れられている特徴があります。
高配当であるために、不動産・金融などのセクター比率が高く、テック企業などの割合が少なくなる傾向があります。
SPYDの主要構成銘柄
SPYDでは、金融や不動産、公益事業の業種の銘柄を中心に構成されている点が特徴的です。具体的な業種は以下の通りです。
- 金融
- 公益事業
- 不動産
- エネルギー
- 生活必需品
- 素材
- 機械技術
- コミュニケーション・サービス
- ヘルスケア
- 一般消費財・サービス
不動産や金融業の銘柄が多いという特性があるため、市場金利の変動があった際には大きく影響を受ける傾向があります。
ただし、SPYDは半年に1度銘柄の入れ替えを実施しているため、銘柄の構成が変わる可能性がある点を覚えておきましょう。

配当金の利回り
直近のSPYDの配当金は0.127557ドルであり、利回りは1.22%でした。※1
SPYDのように高配当銘柄であるETFへ投資することは、株価の下支えになメリットがあります。
株価が下落したタイミングで、高い配当利回りに魅力を感じた投資家が買い注文を入れることで、株価の下落に歯止めがかかる仕組みです。
ただし、配当日が過ぎると、株価が下がる傾向があります。単に配当利回りだけを見るのではなく、最終的にいくらで売却できるかを考えて投資を行うことが大切です。

※1 2021年12月17日時点
配当日・権利落ち
SPYDの配当金の権利確定日は、以下の通りです。
- 3月
- 6月
- 9月
- 12月
年4回配当日があるので、配当金が欲しい方は、権利落ち日の前日までに購入しておきましょう。権利落ち日とは、配当をもらえる権利がなくなる日のことです。
SPYDのメリット・デメリット
SPYDのメリット・デメリットを見ておけば、効率的に投資を行うことができます。
メリット
まずはメリットを解説します。
分配金が高い
SPYDは数あるETFの中でも、分配金の高さに大きなメリットがあります。高配当株式に分散投資できるため、分配金目当てで投資を行いたい方におすすめです。
米国の高配当ETFはSPYDのほかにもHDVやVYMなどがありますが、その中でも高い配当利回りです。

年2回の銘柄入れ替えで銘柄の比率が自動で調整される
先ほどお伝えした通りSPYDは年に2回銘柄の入れ替えを行うため、半年ごとに全80銘柄の組み入れ比率が均一に調整されています。
一方、SPYDは高配当の80銘柄を選んで均等に組み入れる方法を採用しており、配当利回り以外の数値は判断材料にはなりません。その結果高配当銘柄が揃うため、分配金が高くなりやすいというメリットがあるのです。
常に最新の高配当銘柄に投資できる
定期的に銘柄が自動的に調整されるため、自分で企業の実績などをひとつひとつ確認することなく、常に最新の高配当銘柄に投資できる点がメリットです。
ただし、財務面の評価は行わないため、価格変動の影響を受けやすいデメリットも持ち合わせている点も覚えておきましょう。
経費率が低い
ETFや投資信託への投資は、保有期間中の取引コストをどれだけ抑えられるかが重要です。コストがかかってしまうと、その分利益が減ってしまいます。
ETFでかかる主なコストは経費率ですが、SPYDは他のETFと比較しても経費率が低いメリットがあります。
SPYDは指数に連動するように運用されているため、銘柄選定などには特にコストがかかりません。そのため、手数料がかからない点がメリットです。
経費率は少しの差であっても、長期的に投資を行うことを考えた場合、トータルで見ると負担になってしまいます。

デメリット
SPYDのデメリットには、以下のような点が挙げられます。
景気動向に左右されやすく不況に弱い
SPYDは金融と不動産などの業種の銘柄が多く組み入れられているため、景気変動の影響を受けやすい特徴があります。不況に弱いETFである点がデメリットです。
一般的に不動産業界は景気が後退すると不動産が売れなくなるので、不動産の価格が下がって利益が減少する傾向があります。
このように金融と不動産の業績が悪化することで配当利回りが下がり、最悪の場合には減配や無配になってしまうリスクもあるので注意が必要です。
その結果、株価が大きく下落するという悪循環を生んでしまうことも珍しくありません。

景気が減少した際の対処法
ただし、このように価額が下落したタイミングでSPYDをさらに買い集めておけば、景気が回復した時には高い配当利回りが受けられる可能性もあります。
日ごろから世界経済のニュースをチェックするなどして、投資のタイミングを見極めてください。
新しいETFであるため情報が少ない
SPYDは2015年に設定されたまだ新しいETFです。他のETFと比較すると歴史が浅いため、情報が不足している点がデメリットです。歴史が浅いETFは、将来性があるのかどうかを分析するための情報が少ないです。
ちなみに、同じ高配当ETFであるHDVは約10年、VYMは約15年の運用実績があります。
SPYDの株価・チャートの動きは?
SPYDの株価・チャートの動きを見れば、今後の投資の貴重な判断材料になります。
米国経済の回復
SPYDは、S&P500の特に配当利回りが高い80銘柄の指数が連動対象となっているため、米国経済に大きな影響を受ける特徴があります。
2020年に起きた新型コロナウィルス感染拡大の際に経済が停滞してしまった際には、価格チャートは大きく下落してしまいました。
実際に、SPYDの価格は2021年から上昇し始め、新型コロナウィルス感染拡大以前まで価格が回復し、2022年現在では最高値にまで価格が上昇しています。
さらに、米国市場が経済回復のために株価を調整したことで、株式に割安感が出ています。今後も大幅な下落はないと予想できるでしょう。

金融緩和の縮小
SPYDに組み入れられている銘柄は不動産、金融関連の企業が多いです。不動産、金融関連の業種は金利の影響を受けやすい特徴があります。
そのため、今後金融緩和縮小が行われると、株価が変動する可能性があるので注意が必要です。
このように、金利の大きな変動が起きた時でも、互いに受けた影響が相殺されると大きな影響は受けにくいことが予測できるでしょう。
米国株全体の価格が上昇すれば、SPYDの構成銘柄も同様に価格が上昇する可能性が高いです。

SPYDの始め方
これからSPYDを始める初心者の方向けに、SPYDの始め方の手順を紹介します。
1.ネット証券の口座を開設する
まずは、口座を開設したいネット証券を選び、公式サイトから申し込みを済ませましょう。申し込みの際には、本人確認書類の提出や銀行口座の登録が必要です。
申し込み後、書類審査が完了するとその時点で取引を開始することが可能です。記入事項は間違いのないように気を付けましょう。
2.ドルを購入する
無事に口座が開設できたら、日本円でドルを購入する必要があります。
なぜなら、今回買付するSPYDは米国株であるため、ドルを用意する必要があるのです。購入したい分だけの円を売って、ドルを購入しましょう。
3.口座にドルを入金する
ドルが購入できたら、口座にドルを入金します。日本株はこのような手間が不要なので、初めはドルの送金の手間が面倒に感じるかもしれません。

4.SPYDを購入する
ドルを口座に入金できたら、SPYDを買い付けます。最近では、スマホのアプリで簡単にETFを購入できるネット証券も増えてきています。
SPYDの1枚あたりの基準価額は約43ドル※1です。SPYDの現物は1単位(約4,900円)から取引できます。
中には、円を入金するだけでSPYDが取引が開始できる証券会社もあります。
※1 2022年3月16日時点
SPYDに投資できる証券会社
楽天証券
- 楽天ポイントを使って気軽に投資が始められる
- 投信保有残高が10万円以上あれば、毎月4ポイント付与される
- 楽天銀行口座なら振込手数料無料や金利優遇サービスが受けられる
- 取引ツールが充実している
- 一部の海外ETFの買付手数料が無料
楽天証券は楽天ポイントを使って気軽に投資が始められるので、楽天会員の方におすすめのネット証券です。一部の海外ETFの買付手数料は無料です。
楽天銀行口座を利用すれば、楽天グループならではの振込手数料無料や金利優遇サービスなどを受けることができます。
情報収集から発注までを1画面で完結できる「MARKETSPEEDⅡ」や、オリジナルの投資情報画面が作成できる「iSPEED」などの取引ツールが便利です。
楽天証券の基本情報
株式手数料 |
現物:0円~ 信用:0円~ |
---|---|
IPO取扱実績 | 38社※ ※2021年の実績 |
口座開設スピード | 最短1日 |
単元未満株 | 〇 |
出典:楽天証券
SBI証券
- 米国株式取扱銘柄数が5,002銘柄と豊富!(2021年実績)※
- LINEセミナーで最新の世界情勢を知ることができる
- 平日は夜21時まで取引ができる
- 米国株式・ETF定期買付サービスが利用できる
※公式サイトの文言による
SBI証券の「米国株式・ETF定期買付サービス」では、好きなタイミングで指定した金額または株数分、自動で買付することができます。
現在の世界情勢を国際金融のプロが徹底解説したLINEセミナーが定期的に開催されているので、最新の情報を得ることができるでしょう。
米国株も1株から投資できるため、少額の資金しかない方も安心です。

SBI証券の基本情報
株式手数料 |
現物:0円~ 信用:0円~ |
---|---|
IPO取扱実績 | 85社※ ※2021年の実績 |
口座開設スピード | 最短1日 |
単元未満株 | 〇 |
出典:SBI証券
まとめ
今回はSPYDの主要構成銘柄や利回り、株価チャート、配当金などを詳しく解説しました。配当利回りが高い、手数料がリーズナブルなどの特徴があります。
SPYDを購入するだけで、高い配当金が受け取れる、金融や不動産・公益事業などの企業に分散して投資できるので、投資初心者にもぴったりでしょう。
